無人島の1枚を探すブログ Richard Hell & the Voidoids 「All the Way」 (アルバム:Blank Generation)

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Richard Hell & the Voidoids 「All the Way」 (アルバム:Blank Generation)



今回はリチャード・ヘル&ザ・ヴォイドイズ「オール・ザ・ウェイ」(Album『ブランク・ジェネレーション』)をご紹介します。

ヨレヨレだけどロマンティックな不思議な魅力を持った曲


本日の☆おすすめ
■アーティスト名:Richard Hell & the Voidoids
■アーティスト名カナ:リチャード・ヘル&ザ・ヴォイドイズ
■曲名:All the Way
■曲名邦題: オール・ザ・ウェイ
■アルバム名:Blank Generation
■アルバム名邦題:ブランク・ジェネレーション
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■音楽ジャンル:ロック
■期待効果:ほっと一息つけます

この曲を聞いてみたい!
Richard Hell & the Voidoids「All the Way」
曲名をクリックすると動画サイトで視聴できます★Click Song Title★

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リチャード・ヘル&ザ・ヴォイドイズ「オール・ザ・ウェイ」Album『ブランク・ジェネレーション』レビュー


前回はテンション高めの曲を取り上げたので、今回は少しリラックスできる曲を取り上げます。

ご存知の方はリチャード・ヘルってパンクの人でしょと思うかもしれません。確かに破れかぶれな曲が多い人ですが、この曲はアルバムの最後に入っているほっと一息つける曲です。

パンクの人って、時々なぜかロマンティックな曲をやることがあるんですよね。私は昔からそういう曲が好きで、他にはクラッシュの『Combat Rock』に入っている「Death is a Star」とかも好きです。

それはともかく、この人はセックス・ピストルズにパンクのファッションの影響を与えたことで有名な人です。髪の毛を逆立てたり、わざと切ったTシャツを安全ピンで留めたりとか、挑発的な言動とかのパンクのイメージ形成にとても影響を与えた人です。

パンクの人はライブでよく上半身裸になって演奏する人がいますが、それもこの人発かもしれないと私はにらんでいます。

この人はベーシストですが、はっきり言って下手です。音楽的にも素人みたいのでいいというパンクの価値感がなければバンドに採用される人ではありません。

ただこの人の凄さは、下手なんだけどそれで良しと納得させられるところです。

音楽はいうまでもなく、演奏や歌がうまい人が良いミュージシャンということになると思います。しかしこの人はその価値感をひっくり返したようなところがあります。

やりたいことが優先で、技術的には下手でもかまわない。実際に言葉でそう言っていたのかは分かりませんが、音楽ではそう言っています。

この人は元々テレヴィジョンというバンドでベースを担当していました。テレヴィジョンの「Marquee Moon」のベースは下手ではない、むしろ上手いのではないかと思った人もいると思います。

そのアルバムの頃にリチャード・ヘルはバンドをクビになっていて、後任のフレッド・スミスがあのすばらしい演奏をしていたのですね。私はそれを知らなくて、リチャード・ヘルってベースもなかなかいいよみたいなことを言って恥をかいたことがあります。

それはともかく、その後この人はジョニー・サンダースらとハートブレイカーズを結成、しかしまた脱退して自分のバンドであるヴォイドイズを結成したというめまぐるしい経歴を辿ります。

テレヴィジョンを脱退したのが1975年で、ヴォイドイズを結成したのが1977年ですから、なかなか落ち着かない人です。しかしようやく自分中心のバンドで出したこのアルバムは傑作と呼ばれ、今も多くの人に影響を与えています。

どこがいいのか聞かれると答えに困るところがあります。事実私も手放したことがあって、しかしまた聞きたくなって買いなおしました。

久しぶりに聞くと比較的ポップなところも感じられますが、私が一度手放してからまた売らなかったのは、この曲を見つけたからです。

この人は一言でいうとヘタウマな人です。ヘタウマって、マンガとかでもよく言われますが、技術的には下手ということですよね。しかしそれを逆手にとって味わいがあると思わせたり、内容が面白いから許せてしまうというものだと思います。

この人の音楽もそういうところがあります。

この曲はまずロバート・クワインのギターがすばらしいですよね。この人についてはいずれしっかりと言及したいので、ここでもすばらしい演奏をしているということだけ触れたいと思います。クリアーなトーンが曲に合っています。

しかしリチャード・ヘルのボーカルはやっぱり下手ですよね。エドウィン・コリンズをもっと下手にしたようなボーカルです。

他の曲ではとげとげしい彼がこの曲ではロマンティックに歌っていますが、それが思いのほか味わい深いです。ヨレヨレだけどロマンティック、まさにヘタウマな魅力がある人です。

演奏や歌がうまい人は確かにすばらしいと思うけれど、違う人がそっくりそのまま真似てしまえば、その人だけの持ち味ではなくなってしまいます。

しかしここでの彼の味わいは、あまり真似られる類のものではないように思われるのですね。一言で言えば、センスとしか言いようがない何かがあるような気がします。

彼は元々詩人を志していたようですが、反逆児のように振舞う一方で、このようなロマンティックな一面を隠し持っていたのでしょう。

この音楽は時代や偶然の産物みたいなところがあって、私は彼の音楽的なキャリアが長く続かなかった理由がなんとなく分かるような気がします。

しかし彼が示した可能性が、後々になってロックという音楽を延命させたくれたように思います。

なんでもない曲と感じるかもしれませんが、私にとって不思議な魅力のある曲です。

この曲ではチェット・ベイカーのパンク版みたいだと言ったら、チェット・ベイカーファンに怒られるかもしれませんけどね。

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