無人島の1枚を探すブログ David Lindley 「Don't Look Back」 (アルバム:El Rayo-X)

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David Lindley 「Don't Look Back」 (アルバム:El Rayo-X)



今回はデヴィッド・リンドレー「ドント・ルック・バック」(Album『化けもの』)をご紹介します。

こんな楽しい音楽は珍しい!ぜひこのチャンチキなサウンドを堪能してください!


本日の☆おすすめ
■アーティスト名:David Lindley
■アーティスト名カナ:デヴィッド・リンドレー
■曲名:Don't Look Back
■曲名邦題:ドント・ルック・バック
■アルバム名:El Rayo-X
■アルバム名邦題:化けもの
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■音楽ジャンル:シンガーソングライター
■期待効果:踊りだしたくなります

この曲を聞いてみたい!
David Lindley「Don't Look Back」
曲名をクリックすると動画サイトで視聴できます★Click Song Title★

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デヴィッド・リンドレー「ドント・ルック・バック」Album『化けもの』レビュー


まず私がご紹介する前に、以下にAmazonのレビューを引用したいと思います。

「アメリカの田舎っぽいご機嫌なロックでなんかいいのないっすか?」と中古レコード屋の女主人にたずねた。

「ふだんはどんなのが好き?」

「ロス・ロボスとかジョン・フォガティとかブレイヴ・コンボとかライ・クーダーとか」

「じゃあ、こんなのはどう?」と薦められたのがこの一枚。いやー、どんぴしゃり。ほんとご機嫌! 気分はもう、ピーカンの夏空の下アメリカ南西部あたりを車で流してる、おれ。
David Lindley EL RAYO-X Amazon


中古レコード屋の女主人グッジョブです。さすが仕事で音楽を聞いてるだけあります。こういう素晴らしい水先案内人の存在が、音楽ファンの増加を後押ししていることでしょう。

質問した人も本当に音楽を楽しんでいる人なんだろうなという感じです。

これにて終了と言いたいところですが、分からない人には不親切なのできちんとご紹介したいと思います。

まずこの人は歌も歌っていますが、楽器はギターを担当しています。ただギターだけに限らずバイオリンやマンドリンなど様々な弦楽器を弾きこなすので、マルチ弦楽奏者と言った方がいいかもしれません。

そもそも最初はバンジョーを弾き始めたことが、彼のキャリアの始まりです。

バンジョー・フィドル・コンテストで計5回連続で優勝して、5回目の優勝をした時には他の出場者にチャンスを与える為に出場者から審査員にくら替えさせられたという逸話が残っています。まるでベストジーニストにおけるキムタク的扱いではないでしょうか。

その後カレイドスコープという少しバーズの香りのするバンドを結成しています。このバンドもなかなか素晴らしいので、機会があったらご紹介したいと思います。

その後転機が訪れます。ジャクソン・ブラウンのバックバンドに加わったことです。私はファーストアルバムから参加していたと思っていましたが、改めて調べたところセカンドの「For Everyman」から参加しているようです。

この人のギターは、特にスライドギターでとても力強く美しい響きがあって、時には主役のジャクソン・ブラウンをしのぐほどの存在感を見せることがありました。そのためジャクソン・ブラウンのバックで演奏していた時のイメージが強い人かもしれません。

ジャクソン・ブラウンの全盛期を支え、セールスで頂点に達した「Hold Out」を最後に脱退します。

しかしこのアルバムのプロデュースはジャクソン・ブラウンが担当していますし、このアルバムの発表は「Hold Out」の翌年です。おそらくもうそろそろ自分のバンドを結成して、好きなように自分の音楽をやりたいと申し出たのではないかと思います。

このアルバムを聞くと独立したくなった意味が分かります。ジャクソンブラウンの音楽性とは違いますし、やりたい音楽が実に明快です。脇役でおとなしくしていられる人ではありません。

良質ですが典型的なアメリカンシンガーソングライター作品であったジャクソンブラウンの作品に対して、このアルバムではアメリカの古いトラディショナルな音楽の背景も感じられますが、 もっと目立つのはレゲエやメキシコ音楽、ザディコ、ケイジャンといった音楽です。

彼がこうした音楽性を醸成するようになったのは、おそらく盟友のライ・クーダーの影響だと私はにらんでいます。以下のようなライの仕事の数々に刺激を受けたように思います。

Paradise and Lunch (1974)
Chicken Skin Music (1976)
Jazz (1978)

これらの作品でライクーダーは様々な国の音楽をごっちゃまぜにして、ふくよかで陽気な音楽をつくりだしました。今でもライ・クーダーの作品の頂点にそびえ立つ傑作群です。

ちなみに最後の「Jazz」はデヴィッド・リンドレーも参加している1978年の作品です。今回ご紹介したこのデビューアルバムはスワンプ・ロックで有名なアサイラム・レーベルから1981年に発表されています。

英語のアルバムタイトルは後にバンド名になる「El Rayo-X」となっていて、「El Rayo」というのはスペイン語で「雷」という意味のようです。

日本語のアルバムタイトルは発売元の担当者がふざけて命名したと思いきや、デヴィッド・リンドレー自身が指定して「化け物」というタイトルにしたそうです。

この人は日本が好きらしく、ジャケットでもノースリーブのちゃんちゃんこみたいな服を着ています。少しわかめっぽい長髪や一瞬エイリアンのようにも見える影のシルエットは、化け物っぽく見えるように意識したのかもしれません。こんな素晴らしいミューシャンが親日家とは、とてもうれしいことですね。

さて曲を聞いていきましょう。

イントロはしっとりしたギターで始まります。おい起きろという感じで入るドラムを合図にして、ギターが奇妙なフレーズを弾き始めます。

歌はとぼけた味わいですが、この歌もデヴィッド・リンドレーが歌っています。2;09のところで一旦曲が終わったかのように演出して、またしっとりギターの後にチャンチキな展開となります。

私が言いたいことがもうお判りでしょう。この曲の聴きどころは、そのチャンチキしたイアン・ウォーレスのドラムとデヴィッド・リンドレーのギターです。

この曲はオリジナルではありません。テンプテーションズの1965年のヒット曲のカバーです。

このアルバムで彼のオリジナル曲は2曲しかありませんが、楽器を楽しく弾くことができればオリジナル曲にはこだわらないのでしょう。このアルバムでは他にビートルズのカバーでも有名な「Twist & Shout」もやっていますが、そちらもおすすめです。

しかしただのカバーではなく、解釈にひと手間加えています。例えば鶏肉をコーラで煮ると肉が柔らかくなるとか、ホットケーキの生地にマヨネーズを加えるとふっくらと焼きあがるとか、そんな感じに似た反則的解釈をしています。

元々素晴らしい曲であるにもかかわらず、このバンドの演奏や歌は更にこの曲の持つ魅力をふくよかになる方向でふくらましています。

この曲を知ってからテンプテーションズのオリジナルバージョンを聞くと、毎回必ずこのバージョンを思い出してしまって困ります。

私の中でこの曲は、もうすっかりこのカバーバージョンの刻印が押されてしまっています。

幼い頃食事が出てくるまでの間、はしでテーブルや茶わんをチャンチキ叩いて怒られた経験がある人もいるかもしれません。

この音楽はもうとっくに大人になったというのにその続きをやってしまっている、そういう楽しさがあります。

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