無人島の1枚を探すブログ Arto Lindsay 「You Decide」 (アルバム:Invoke)

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Arto Lindsay 「You Decide」 (アルバム:Invoke)



今回はアート・リンゼイ「あなたが決めて」(Album『インヴォーク』)をご紹介します。

日常をリセットする極上のフレーバーウォーターのような音楽


本日の☆おすすめ
■アーティスト名:Arto Lindsay
■アーティスト名カナ:アート・リンゼイ
■曲名:You Decide
■曲名邦題:あなたが決めて
■アルバム名:Invoke
■アルバム名邦題:インヴォーク
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■音楽ジャンル:ボサノヴァ
■期待効果:落ち着きます

この曲を聞いてみたい!
Arto Lindsay「You Decide」
クリックすると動画サイトで視聴できます★Click Song Title★

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アート・リンゼイ「あなたが決めて」Album『インヴォーク』ディスクレビュー


感情を排した音楽


こんにちは。おとましぐらです。(プロフィールはこちら

今回ご紹介するのは、アート作品のような曲です。

これまで比較的人間くさい曲を中心にご紹介してきましたが、今回ご紹介するのは、即物的な音そのものに注目する曲です。

感情よりも感覚に訴えかける音楽といえるかもしれません。

私は時々背後に人間性やストーリーを感じない、純粋な音そのものを聞きたくなることがあります。

今回ご紹介する曲や時々無性にジャーマンプログレを聞きたくなるのも、その即物性ゆえかもしれません。

今回ご紹介する曲は、耳をリセットするのに私が重宝している音楽です。

観光地とか少しおしゃれなお店に行くと、フレーバーウォーターと言ったらいいのか、普通の水に少し何かの味が付けられた飲み物が出てくることがありますが、私はああいう飲み物が大好きです。

飲むと味覚をリセットし、プラスアルファがある音楽。引き算の美意識がある音楽です。



この曲のどこがすばらしいのか


さて余計な話はこのぐらいにして、早速曲を聞いていきましょう。

イントロからオヴァル(Oval)みたいな小さく尖った細かなノイズのような電子音が鳴り響きます。

この電子音はどこか懐かしい感じもしますが、それはスターウォーズのR2-D2の声みたいなところがあるせいかもしれません。

イントロの後にアート・リンゼイの歌が始まります。

ボーカルは特段表現力があるわけではありません。しかし電子音の即物性との対比からか、不思議ととてもオーガニックな歌に聞こえます。

特に力みなし声を張り上げることなく、平熱36.5度のボーカルですが、その平熱を18度ぐらいの室温にまで冷やそうとするかのごとく、電子音が鳴り響きます。

これをボサノヴァと言ったらいいのか分かりませんが、広義でいま時のボサノヴァといえるかもしれません。

イントロで鳴っていた電子音は基本か細く小さな音なので、ボーカルが始まると掻き消えそうになりますが、しかしところどころで鳴り響くことで、終始この曲の基調をつくっています。

後は空間の処理にも注目です。音の空間を意識して、その中でどう音を鳴り響かせるか。その音響空間にきちんと目的を持って音を配置する。

そこに置く音は取捨選択の上で決定し、あらかじめ音色を整えておく。この曲の製作者にはそういう視点があるように思います。

ここには引き算の美学があります。音楽の引き算の美学とは音響空間を活かすということですが、ここでの主役はこの電子音です。

電子音を心地よく鳴り響かせるために、必要な音だけを選択しておこうという美意識を感じます。

この曲はわりと派手なサビを持たない平坦な曲ですが、この曲には盛り上がりは必要なさそうです。

この曲ではドラムがシカゴ音響派みたいに、知的でタイトだけどひっかかりがあり、しかし不思議と少しだけファンキーなドラム演奏が選択されていて、この音響空間に最適なリズムパターンを刻んでいます。

そのリズムの上でギターの響きが電子音と混ざり合う演出が、この曲の土台を形成しています。



センスと美意識を聞く音楽


曲全体としてはエイフェックス・ツイン(Aphex Twin)のアンビニエント曲みたいに、安静と神経を逆なでるところが不思議なバランスの上で同居しています。

耳障りな電子音を曲に織り込むのはセンスが問われる側面があって、私はベック(Beck)の「オディレイ(Odelay)」を初めて聞いた時に驚いたのは、耳障りな電子音が普通の楽器の演奏よりも魅力的に響かせているところでした。

普通は耳障りな音は、ただの耳障りな音でしかありません。

それを魅力的に響かせることができるのは、生理的な音に対する感覚が優れていて、透徹した美学を持つ人の特権です。

そもそも普通は耳障りに聞こえそうな音を曲に入れることを考えもしないはずです。

この人はそういうことができる人ですね。このアルバムだけではなく、デビュー時からの筋金入りです。

センス勝負であればこの人は誰にも負けません。この人は昔から技術とか人間的な味わいとかそういうところとは違う部分で勝負してきた人です。

一言でセンスと言っても、一過性のものも多く、生もののようにすぐに古くさくなってしまいます。アート・リンゼイはこのアルバムを出した時には49歳ぐらいなはずですけど、なかなか古びません。

ドン・ゼー(Tom Ze)などにも感じますが、ブラジル男はどうなっているんでしょうか。

この曲は2000年代以降のブラジル音楽シーンのキーマンの1人であるカシン(Kassin)がプロデュースに参加していますが、どこで貢献しているのかは分かりません。

この即物的な電子音はどちらの作風でもおかしくない気がします。

この曲は感情より美意識に訴えてくる音楽ですが、それはこのアルバム全体にもいえることです。

最初にフレーバーウォーターのことを書きましたが、このアルバムを通してピリっとしたペパーミントが利いたサウンドを聞くことができます。その核となっているのが、電子音やその他音響の数々です。

私に美術評論はできませんが、この曲などは曲のインスタレーションとでも呼びたくなるようなところがあります。

他の曲もこの曲とそう変わらない出来ですので、この曲を気に入ったらアルバム単位で聞いて頂いた方がいいと思います。気に入った芸術家の企画展に行った気分が味わえます。

ジャケットもわざと折り曲げたりこすった傷みたいにしていますが、そういうところも現代美術っぽいですよね。

アート・リンゼイという名前の通り、まさに美術だなと書いてしまうおやじギャグ寄りの私すら、一時生活感を忘れてリフレッシュされる気がします。

時には忙しい日常を離れて、広い空間と静けさを感じながら、こういう音楽を鑑賞してみてはいかがでしょうか。

引き続きこのアルバムのAmazonレビューを読んでみたい方や、ご購入をお考えの方は、下のリンクからお進みください。


インヴォーク




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