無人島の1枚を探すブログ The Doobie Brothers 「Wheels of Fortune」 (アルバム:Takin' It to the Streets)

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The Doobie Brothers 「Wheels of Fortune」 (アルバム:Takin' It to the Streets)



今回はドゥービー・ブラザーズ「運命の轍」(Album『ドゥービー・ストリート』)をご紹介します。

パトリック・シモンズがまとめあげた過渡期を象徴する傑作


本日のおすすめ!(Today's Selection)
■アーティスト名:The Doobie Brothers
■アーティスト名カナ:ドゥービー・ブラザーズ
■曲名:Wheels of Fortune
■曲名邦題:運命の轍
■アルバム名:Takin' It to the Streets
■アルバム名邦題:ドゥービー・ストリート
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■音楽ジャンル:ロック
■期待効果:自然と体が動きます

曲を聞いてみたい!(Click to Listen)
The Doobie Brothers「Wheels of Fortune」
※Today's Desert Island Disc

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アーティスト名 ABC順リスト(Artists ABC)
ジャケット近代美術館(Album Covers)
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ドゥービー・ブラザーズ「運命の轍」Album『ドゥービー・ストリート』ディスクレビュー


前期と後期の中間に位置する作品


こんにちは。おとましぐらです。(プロフィールはこちら

ご存知の方も多いでしょうが、このバンドは2つの時期に分けられます。

1つはトム・ジョンストン(Tom Johnston)がリーダーシップをとっていた時期で、もう1つがマイケル・マクドナルド(Michael McDonald)がリーダーシップをとっていた時期です。

前者がパキパキとした活きの良いアメリカンロックで、後者が洗練された都市型AORサウンドです。

前者の代表作が「キャプテン・アンド・ミー(The Captain and Me)」だとしたら、後者の代表作が「ミニット・バイ・ミニット(Minute by Minute)」です。

はっきり音楽性が分かれていて、ファンの間でもどちらの時期が一番かということが論争になったりします。

ただこのアルバムはそのちょうど中間に位置していて、私のようにどちらも大好きという中間派にとっては、とてもありがたいアルバムです。

今回ご紹介するこのアルバムは、水と油のような2つの時期がちょうど重なり合っていました。トム・ジョンストンとマイケル・マクドナルドが同時に在籍していた唯一のアルバムです。

確かにトム・ジョンストンとマイケル・マクドナルドは、音楽性がかなり異なりますが、第三の男が重なり合う部分をうまく見つけて、うまくリンクさせて急場をしのいだのがこのアルバムだと思います。

第三の男の名前は、パトリック・シモンズ(Patrick Simmons)です。

パトリック・シモンズはこのメンバーチェンジが頻繁なバンドにあって、絶えることなく常にこのバンドに在籍していました。

バンドのファーストマンがトム・ジョンストンになっても、後にマイケル・マクドナルドになっても、どちらの場合でもセカンドマンの立場からバンドを下支えしていました。

ドゥービー・ブラザーズとは、パトリック・シモンズという名番頭が支えていたバンドという言い方ができるかもしれません。



パトリック・シモンズ(Patrick Simmons)の成長


初期はトム・ジョンストンのワンマンバンドという感じでしたが、ごく初期からパトリック・シモンズも作曲に参加していました。

パトリックの曲はそれなりに良い曲もありましたが、多くの場合アルバムの穴埋め的な曲が多かったと思います。

初期からとてつもない作曲の才能を示していたトム・ジョンストンの曲だけでアルバムを埋め尽くした方が、良い曲が多くなったと思います。

しかし「ドゥービー天国(What Were Once Vices Are Now Habits)」あたりから、パトリックの才能が開花し始めます。

特に全米1位を記録した「ブラック・ウォーター(Black Water)」を作曲したことは、パトリックの自信になったでしょう。

当時はトム・ジョンストンの才能が突出していたと思いますが、独裁体制とはなりませんでした。

それどころかトムは積極的に他のメンバーと曲を共作して曲作りに参加させ、彼らの意見を汲み取ろうとしていました。

パトリック・シモンズだけでなく、他のメンバーもトム・ジョンストンの背中を見て、徐々に作曲の才能を開花させ始めました。

パトリックはフォーキーブルースっぽいイメージがあるかもしれませんが、骨のあるロック調の曲を書いたり、ブルーアイドソウル風もあったりと、作風が固定されていません。

ただ自分なりのスタイルといえるものがなくても、良質な曲を書けることは間違いなく、それは後にリリースされたソロアルバムを聞いても分かります。

要するに自分のカラーでバンドを染め上げるタイプではなく、その時々の状況に合わせて良質な曲を提供できる人です。

サッカーでも退場者が出たり逆転された時などに、複数ポジションできる人がいた方が柔軟に対応できますよね。この人はそういう人だったと思います。

このアルバムにはトム・ジョンストンが作曲した曲が1曲だけあります。

「ターン・イット・ルース(Turn It Loose)」で、従来のドゥービー・ブラザーズを彷彿とさせる曲でした。

そして新しい音楽リーダー候補マイケル・マクドナルドは、このアルバムでまだ遠慮していますが、それでも自らが提供し歌う曲では、既にかなりの存在感を発揮していています。

このアルバムのパトリック・シモンズの曲だけを聞くと、その両者の中間に位置する楽曲を提供していることに気が付きます。

このアルバムが水と油みたいな感じにならなかったのは、パトリック・シモンズが所々でその合間をきちんと埋める働きを見せ、しかもとてもすばらしい楽曲を提供していることが大きいと思います。



歌詞に見る当時のバンドの内情


この当時はトム・ジョンストンが健康を害して、バンドに充分な貢献ができなかった時期の作品です。

大黒柱が揺らいでいるお家の一大事に、パトリック・シモンズが奮闘しています。パトリックはこのアルバムでは4曲にかかわっていて、内3曲が他のメンバーとの共作です。

おそらくその過程で他のメンバーとの意見交換もあったでしょう。それが曲作りに影響を与えたことは想像に難くありません。

そしてそれはトムが昔やっていたことです。

この曲の歌詞には注目すべき点があります。

私はロサンゼルスにうんざりしています
しかし私はまだゲームを続けます
そして私はその理由がないことも知っています
それでもなお私は 同じように探し続けるでしょう

The Doobie Brothers - Wheels Of Fortune Lyrics | MetroLyrics


おそらく当時のバンドの中には、ウェストコースト・サウンドの中心的となっていたロサンゼルスの音楽業界に不満があったのでしょう。

この頃のウェストコーストの音楽業界に対しては、ネッド・ドヒニー、そしてイーグルスのメンバーもうんざりしているというようなコメントを残しています。

しかしパトリックは、それでもバンドを続けるという意思表示を示しています。それは自分が番頭としてがんばりますというようにも聞こえます。

Amazonのレビューにも私と同じ個所に注目したレビュアーの方もいらっしゃいましたが、タイラン・ポーター(Tiran Porter)の「サムワン・スペシャル(For Someone Special)」にも、当時のメンバーの気持ちをうかがわせる箇所があります。

タイラン・ポーターはトムがバンドの大黒柱だった頃から、一緒に演奏していた歴戦の強者です。

いくつか興味深いところを抜き出して翻訳しましょう。

私はあなたがトラックに戻ってくると思っていた
しかし私は間違えていたと思う(中略)

私が道を走っていた頃、あなたに大きな負担がかかっていたことに、私は気づいていませんでした(中略)

そしてあなたは私たちが忠実であることを知っていると思います
長年の苦労を通して私たちの仲は良くなりました

良い時代を乗り切ることができると思っていました
今はそれが終わってうれしい それは終わったのです

今、私は遊ぶことができるのですから

The Doobie Brothers – For Someone Special Lyrics | Genius


これはトム・ジョンストンが健康問題で一時バンドを離れていた時期のことを歌った曲ではないかと推測されます。

1975年にトム・ジョンストンは一度バンドを脱退して、入院していましたが、その後このアルバムで再加入しています。



この曲のどこがすばらしいのか


さて曲を聞いていきましょう。

まずイントロからとてもうれしいギターが始まります。

これはまるで「ロング・トレイン・ランニン(Long Train Runnin')」の頃のドゥービーではありませんか。やっぱりトムのギターは最高です。

この曲では途中からトムがボーカルをとっていて、その塩辛い声が聞こえてくると、復帰できて良かったと私まで喜んでしまいます。

1:56ぐらいからタイラン・ポーターのベースが大活躍しています。まるでファンク・バンドみたいなかっこいいベースを弾いています。

しかしそれもトム時代からの魅力です。トムの時代のドゥービーはロックバンドなのに、ファンキーな感覚が飛びぬけていましたからね。

しかし次第に新しく加入したメンバーが自己主張し始めます。

中盤以降はおそらくジェフ・バクスター(Jeff Baxter)がやりたい感じのサウンドになっています。スティーリー・ダン(Steely Dan)色を隠し切れませんが、それもこの曲の魅力の一部です。

ちなみにこの曲を書いたのは「Patrick Simmons, Jeffrey Baxter, John Hartman」とあります。

おそらく前半のトムが活躍するところはパトリックが書き、その後のファンキーなフュージョンっぽい展開はジェフ・バクスターとジョン・ハートマン(John Hartman)が書いたと思われます。

パトリックが媒介となって、トムにもう一花咲かせようとしていると共に、他のメンバーの良さも引き出そうとしています。

このバンドの家族的な連帯感は、トムから始まった伝統の中から築き上げられてきたものです。

ウィキペディアから引用しましょう。

しかし、いったん脱退したメンバーが正式メンバーとして復帰したり、ステージやレコーディングに参加したりと、現メンバー、元メンバーも含めて非常に友好的で、過去在籍したメンバーすべてが「ファミリー」のような関係にある。

ウィキペディア ドゥービー・ブラザーズ


他の多くのバンドがエゴをぶつけ合い、メンタルを削り合い、失速していくのを傍目にみながら、このバンドはあくまでみんなで盛り上がろうぜという延長でやっています。

そういうとこから、このバンドの魅力であるロック、ファンク、ソウル、フォークなど様々な音楽を、同じ鍋の中で煮込んだような、大らかなサウンドが生まれているように思います。

このアルバムではトムという大黒柱の下、番頭格として活躍していたパトリックが、お家の一大事を救うべく立ち上がり、補佐のタイラン・ポーターと共にグループを盛り立てているように思います。

こういう良い番頭がいるバンドは幸せです。

引き続きこのアルバムのAmazonレビューを読んでみたい方や、ご購入をお考えの方は、下のリンクからお進みください。


Takin It to the Streets




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