「ビロードのような歌声と歌声を生かすギターも絶品です!」
今回はカエターノ・ベローゾ「ルーズ・ド・ソウ/太陽の光」(Album『カエターノ・ベローゾ』)をご紹介します。
╂ 本日のおすすめ!(Today’s Selection) ╂
■アーティスト名:Caetano Veloso
■アーティスト名カナ:カエターノ・ベローゾ
■曲名:Luz Do Sol
■曲名邦題:ルーズ・ド・ソウ/太陽の光
■アルバム名:アーティスト名と同じ
■アルバム名邦題:アーティスト名カナと同じ
■動画リンク:Caetano Veloso「Luz Do Sol」
╂ 名曲レビューでは四つ星半以上のとびっきりの名曲だけをおすすめしています!╂
カエターノ・ベローゾ「ルーズ・ド・ソウ/太陽の光」(アルバム:カエターノ・ベローゾ)ディスクレビュー
こんにちは。おとましぐらです。(プロフィールページへ)
この人は名曲が多すぎて選べないぐらいの人です。
とりあえず1曲だけ取り上げますが、まだまだ取り上げたい曲が沢山あります。
以前フォガット(Foghat)の時にも触れましたが、時々同じアルバム名が沢山あるという困った事態が発生することがあります。
カエターノ・ヴェローゾも自分の名前と同じタイトルのアルバムが4枚あります。
2作連続で自分の名前のアルバムを出したこともあって、それではニューアルバムと気づかれないだろうと余計な心配をしてしまいそうです。
かといって時期が隣り合っていなくてもダイアナ・ロス(Diana Ross)みたいに、「Diana Ross」が2枚、「Diana」が1枚、「Ross」が2枚、「Diana!」というサントラが1枚みたいのも困りますけどね。
まあタイトルなんかどうでもいいから、私の歌を聞きなさいよみたいな感じなんでしょうか。
ぼやきはこのぐらいにしておきます。
このアルバムは4枚目の「Caetano Veloso」からの選曲ですので、購入を検討している人はこの曲が入っていることをご確認ください。
このアルバムではカバー曲を結構取り上げていて、中にはマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)の「ビリージーン(Billie Jean)」とビートルズ(The Beatles)の「エレナ・リグビー(Eleanor Rigby)」をメドレーでつなげている曲までありますが、この曲はオリジナルです。
この曲はカエターノのビロードのような声を楽しむ曲だと思います。
第一声から彼の声に惹き込まれます。いい声というのは歌がうまいとかいう前に声が放たれた瞬間に世界をつくってしまいますね。
しかしなんという薫り高い音楽でしょうか。
もしソムリエだったら、なめし皮の匂いとか多彩な形容詞で10分ぐらい語ることができるような豊穣さがあります。
自分の語彙の少なさを恨みたくなる音楽です。
アコースティックギターと声だけでのシンプルな音楽ですが、演奏、声質、歌唱、メロディ、それらの要素が一体となって、とても胸に刺さる曲が出来上がっています。
カエターノは過激なアレンジの曲や、多彩な色彩の持つ曲、ポップな曲、表現の幅がとても広い人です。
でもどれもみんな歌がすばらしいです。歌一本で聞き手をねじ伏せる力があることが、この人の強みです。
よく道端でアコギ一本で歌っている人が、コードをジャカジャカとかき鳴らしていることがあります。
私はあれがあまり好きではありません。
もちろんコードをかき鳴らすこと自体は否定しませんが、多くの場合ギターの使い方に工夫がないように思うのですね。
ギターを騒音発生装置みたいにして使っているように思ってしまうのです。
ここでのカエターノのギターを聞いて頂きたいのですが、徹頭徹尾、歌を活かす為にメロディを添えています。
ボッサになる手前のニューアンスで歌の味わいを引き立てることに専念しています。結果として歌が活きています。
もしこの時のカエターノがストリート・ミュージシャンとしてアコギ一本で歌っていたら、足を止める人も多いでしょうね。
この曲は他にも寂寥感あふれるストリングスが大きくフィーチャーされているバージョンもありますが、そちらもおすすめです。
カエターノはアルバムが沢山ありすぎるし、初期を除くと捨て曲もほとんどありません。
サントラや他の人とのアルバム、近年のアルバムまでどれもすばらしく、どこから聞き直せばいいか分からなくなります。
まだ私も充分には発掘できていませんが、このサイトでは度々ご紹介させて頂こうと思っています。
引き続きこのアルバムのAmazonレビューを読んでみたい方や、ご購入をお考えの方は、下のリンクからお進みください。