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Corduroy「Something in My Eye」(アルバム:High Havoc)

「つい苦笑いしてしまうバカジャケに負けない珠玉のフェイクラテンナンバー」

今回はコーデュロイ「サムシング・イン・マイ・アイズ」(Album『ハイ・ハヴォック』)をご紹介します。

本日のおすすめ!(Today’s Selection)
■アーティスト名:Corduroy
■アーティスト名カナ:コーデュロイ
■曲名:Something in My Eye
■曲名邦題:サムシング・イン・マイ・アイズ
■アルバム名:High Havoc
■アルバム名邦題:ハイ・ハヴォック
■動画リンク:Corduroy「Something in My Eye」

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コーデュロイ「サムシング・イン・マイ・アイズ」(アルバム:ハイ・ハヴォック)ディスクレビュー

こんにちは。おとましぐらです。(プロフィールページへ

今回は初めてアシッド・ジャズをご紹介します。

アシッド・ジャズについては、ウィキペディアから引用しておきましょう。

アシッド・ジャズ(acid jazz)は、1980年代にイギリス[1][2][3][4] のクラブシーンから派生したジャズの文化。ジャズ・ファンクやソウル・ジャズ等の影響を受けた音楽のジャンル。レコードレーベルの名称。

ウィキペディア アシッドジャズ

アシッド・ジャズでも、この人たちはその代表格だと思います。

ただこの人たちは日本でも人気がありました。特に日本で人気があったといっても過言ではありません。

日本でこの人たちはトラットリア(Trattoria Records)から発売されていましたが、そのおかげもあります。

トラッテリアといえばヴィーナス・ペーター(Venus Peter)、ブリッジ(bridge)、沖野俊太郎、嶺川貴子などが在籍していた渋谷系音楽の中心的存在のレーベルでした。

私としてはエイ・クレイズ(A Craze)やクエスチョンズ(The Questions)などを再発してくれたレーベルとして、とても感謝しているレーベルです。

当時渋谷系はおしゃれな価値観を体現する存在でした。その総本山であるがトラッテリアに、このグループは所属していたのですね。

1995年当時はまだ勢いがあったパルコのこんなCMにも参加しています。

P’PARCO 1ST ANNIVERSARY TV SPOT

CMには小山田圭吾、カヒミ・カリィ、小山田圭吾、コーデュロイなどが出ています。

トラッテリアを主宰している小山田圭吾はこのバンドが好きだったらしく、個人名義の曲でもコーデュロイ風の曲をやっていたりしています。

渋谷系でもありアシッドジャズでもあるという理想的な立ち位置が、彼らの日本での人気を後押ししていました。

バカジャケについて

しかし何度見てもこのジャケットは笑えます。

おそらくスパイ映画のイメージを狙ったと思われます。

後ろで爆弾か何かが爆発したかのようなチープな背景と、おそろしく動的な動きが感じられないメンバーのポーズ。

1人だけ裸足なのは、ビートルズ(The Beatles)のアビーロード(Abbey Road)のオマージュなのかもしれません。

アビーロードのジャケットでは、ポール・マッカートニー(Paul McCartney)だけを裸足で歩いている写真が使われていたせいで、それに何か意味があるのではないかと世界中で議論を呼びました。

いやしかしこのジャケットはないでしょう。

完全にアウトですけれど、そのアウトっぷりがいいだろうというメンバーの勘違いっぷりを含めて、外している感じが半端ありません。

それをみて苦笑いしている自分を含めて笑ってしまいそうになるぐらいおバカワールドが全開です。

「かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう」という早川義夫という名言があります。

その逆に「かっこ悪いことはなんてかっこいいんだろう」という線を狙っているのでしょうか。

いやいやしかし、全然かっこよくないですし。

このアルバムは架空のサウンドトラックという趣旨でつくられたコンセプトアルバムです。

ちなみにアルバムタイトルの「High Havoc」は意訳すると「めちゃくちゃ大混乱」みたいな意味です。

「Havoc」だけでも「大混乱」という意味なのに、頭に「High」を付けて更に強調しているのが笑えます。

メンバーはジャケットの裏でも階段から飛び降りたりなどして無駄に熱演しています。


経歴について

このアルバムは1993年にアシッド・ジャズ・レコーズ(Acid Jazz Records)からリリースされた、コーデュロイのセカンドアルバムです。

このバンドの前には、ボーイズ・ワンダー(Boys Wonder)という前身がありました。

ボーイズ・ワンダーの頃はコーデュロイよりもロックっぽい音楽性で、悪いバンドではありません。

ただまだ自分たちのサウンドを見つけることができていない感じがします。

ただビジュアルのインパクトが強烈で、ボーカルのベン・アディソン(Ben Addison)の眉毛が、イモトアヤコさんみたいに海苔を貼ったみたいになっています。

明らかに地毛ではありません。

極太眉毛が強烈すぎて音楽が耳に入ってこないかもしれませんが、リンクを貼っておきます。

Boys Wonder – Shine On Me (Saturday Live)

ボーイズ・ワンダーはベン・アディソンとスコット・アディソン(Scott Addison)という双子を中心としたグループでしたが、そこに加わったのがベースのドクター&ザ・メディクス(Doctor & the Medics)でベースを弾いていた、リチャード・サール(Richard Searle)です。

そちらもリンクを貼っておきましょう。

Doctor And The Medics – Spirit In The Sky

経歴を追っていくと、彼らがグラムロックの香りのするロック畑から出てきて、昔からビジュアルのインパクトに相当こだわってきた人たちだと分かります。

まあお笑いに走りすぎたグラムロックみたいな人たちだったのですね。

コーデュロイというバンド名は、日本ではコール天と呼ばれる織物で、私のイメージではヴィンテージな古着素材みたいなイメージがあります。

この名前を付けたということは、何か音楽の方向性を定めたのではないでしょうか。

昔のモッズバンドみたいな、オルガンが活躍をする古い音楽をうまく再利用しようという音楽に移行しつつあります。

ロックというフォーマットでは表現しきれなかった彼らは、アシッドジャズという自分たちに合ったフォーマットを見つけました。

古い音楽を今のおしゃれな文脈で再現する。そしていなたい音楽と目立ちたがり屋キャラの融合という第二章が始まりました。

この曲のどこがすばらしいのか

この曲ではボーカルが入っていますが、このアルバムの多くはインストの曲でボーカルが入っていません。

他のインストではサントラ音楽風のグルーヴィーな音楽が多くて、ボーカルが入っていなくてもとても楽しめます。

この曲のイントロはラテン風に始まります。

イントロから聞いたことがあるなと思った人も多いと思います。「マシュ・ケ・ナダ(Mas Que Nada)」ですね。

渋谷系音楽とアシッド・ジャズは引用元へのオマージュを、昔の音楽を知らない人にきちんと示す為、分かりやすくするのが掟です。(本当か)

ボーカルはやさ男風ボッサテイストです。

1:33から入るヴィブラフォンはおしゃれですが、スキャットがこれはわざ下手に歌っているっぽい感じにしていて、無駄に笑いを取りに行っています。

後半は特にコーラスがいろいろ工夫されていて、確かに昔のサントラにこんなコーラスあったよなと思い出させられるように忠実に再現してくれています。

昔の音楽に対する知識や解釈のセンスが抜群で、どんなにおバカで笑いを取りに行っても、このセンスの良さがおしゃれと錯覚させてくれるのではないでしょうか。

思えば渋谷系やアシッドジャズの多くは、フェイクをあえて味わう的なおもしろさがありました。

元ネタを知っているからこそ、更に楽しめるというようなところがあります。

この曲なども昔のスパイ映画のサントラに紛れ込んだラテンナンバーみたいな味わいがあります。

このバンドの問題はたった一つです。

ビジュアルのインパクトが強すぎて、音楽が割を食っているところです。

おバカジャケットに引きずられすぎずに、音楽を楽しんでいただければと思います。

引き続きこのアルバムのAmazonレビューを読んでみたい方や、ご購入をお考えの方は、下のリンクからお進みください。


High Havoc

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