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Frank Zappa & the Mothers of Invention「Inca Roads」(アルバム:One Size Fits All)

「バッドテイストな気分とむせ返るような濃厚さの先にある音の桃源郷」

今回はフランク・ザッパ&ザ・マザーズ・オブ・インヴェンション「インカ・ローズ」(Album『ワン・サイズ・フィッツ・オール』)をご紹介します。

本日のおすすめ!(Today’s Selection)
■アーティスト名:Frank Zappa & the Mothers of Invention
■アーティスト名カナ:フランク・ザッパ&ザ・マザーズ・オブ・インヴェンション
■曲名:Inca Roads
■曲名邦題:インカ・ローズ
■アルバム名:One Size Fits All
■アルバム名邦題:ワン・サイズ・フィッツ・オール(万物同一サイズの法則)
■動画リンク:Frank Zappa & the Mothers of Invention「Inca Roads」

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フランク・ザッパ&ザ・マザーズ・オブ・インヴェンション「インカ・ローズ」(アルバム:ワン・サイズ・フィッツ・オール(万物同一サイズの法則))ディスクレビュー

こんにちは。おとましぐらです。(プロフィールページへ

この曲は誰かは忘れましたが、あるフュージョン系ミュージシャンの無人島の1曲です。

相当昔の話ですのでうろ覚えですが、昔「ADLIB」あたりの雑誌を読んでいたところ、あるアーティストがインタビューでこの曲を褒めちぎっていました。

確かにこの曲はすごい曲だとは思いますが、正直なところ何がどうすごいのか、私の語彙では表現できる気がしません。

この曲は宇宙のどこかからやってきた物体についての理解不能な歌詞の曲です。

そもそもこのアルバムやこの曲自体、巨大な物体が突如迫ってきたような不条理感があります。

視野全体を覆ってしまう巨大な物体について、何か書くような途方に暮れた感じがします。

ザッパは先日取り上げたマイルス・デイビス(Miles Davis)と同じで、1人がそのまま1つの音楽ジャンルみたいなところがあります。

ジャンル分けできない巨大な音楽の塊、それがザッパの音楽だと思います。

この時期はメンバーが豪華です。

8分45秒という長い曲ですが、これだけのメンバーが揃っていたら、このぐらいの長さがないともったいないともいえます。

これでもザッパにしては聞きやすいと思います。

それでも初めて聞く人にはあまりに濃密な音楽空間なので、心臓をペンチでつままれた気分になるかもしれません。

あるいは濃い料理を食べすぎた時のような、むせかえるような感じになるかもしれません。

ただそのバッドテイストな感覚の先には、桃源郷が待っている音楽です。

1回で理解できる音楽ではないかもしれません。私も初めて聞いた時は少しかっこいいなぐらいでした。

ただ1回で全て理解できている気がしませんでしたので、何度となく聞いてようやく凄さが実感できました。

ザッパの音楽を聞くということは、理解できるところを手がかりにして、どうにか暗闇の中を進んでいくいうことです。

我慢して進むと、ザッパからご褒美がもらえます。

この曲はそういう曲です。

ちなみにこの曲は純粋なスタジオ録音の曲ではありません。

テレビ番組での演奏に違うライブのギターソロとスタジオ録音を加えて編集でつくられた曲です。

その出自からして鬼才ザッパらしい鬼っ子的作品です。

この曲のどこがすばらしいのか

まずイントロから不穏なキーボードがリズムを刻みます。

このイントロは最初から良さが分かりました。素直にかっこいいです。

リードボーカルをとっているのはジョージ・デューク(George Duke)のようです。

キーボードの演奏だけで満足していた彼が、ザッパから言われて仕方なく歌ったようですが、それにしてはなかなかの歌を聞かせてくれます。

途中お約束の曲の流れを止める小芝居的展開もありますが、まだここまではなんとか聞きやすいですかね。

さて問題はここからです。

2:01からはザッパのギターですが、ここからは次第にプログレ的展開になってきます。

ここでのギターはところどころで激しい瞬間がありますが、まるで宇宙空間を漂っているような心地よい演奏です。

秀逸なベースと一緒に音の空間を活かすような想像力をかきたてる演奏だと思います。

ただ私がこの曲の一番の聞きどころだと思うのは6:06ぐらいからです。

キーボードの勢いが増して、マリンバとの絡みが大変すばらしいと思います。

マリンバはあまりロックバンドでは使われないのですが、ここでのルース・アンダーウッド(Ruth Underwood)の演奏は自由奔放で、神がかり的だと思います。

次第に熱を帯びてきて曲調がスペイシーになってきます。

曲全体でチェスター・トンプソン(Chester Thompson)が非凡なドラム演奏を披露しています。

不定期に入るインチキくさいコーラス、変拍子の乱舞、不自然なキメなど、もう何がなんだか分かりません。

しかしわけが分からなくても黙ってひたすら聞くのがザッパ鑑賞の正しい作法です。

このアルバムはサブタイトルで直訳の「万物同一サイズの法則」という名前が付けられています。

どういう法則だと突っ込みを入れている間は、ちゃんと首下までザッパの音楽にはまってはいません。私も全然まだまだです。

その通りです。ソファと東京ドームも同じサイズですと、真顔で言えるぐらいでなければいけません。

しかしこんなヒットチャートとは無縁そうなアルバムなのに、1975年にビルボードのアルバムチャートで26位を記録しています。

圧倒的な才能の力技でヒットチャートまでねじ伏せてしまうなんて、ザッパの神通力は常人離れしているとしか言いようがありません。

匹敵できるのはおそらくロシアの怪僧ラスプーチンぐらいでしょう。

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ワン・サイズ・フィッツ・オール(紙ジャケット仕様)

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