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Gil Scott-Heron & Brian Jackson「It’s Your World」「17th Street」(アルバム:It’s Your World)

「野性味あるグルーヴ、クールなエレピ、それを統治する深みのある声」

今回はギル・スコット-ヘロン&ブライアン・ジャクソン「イッツ・ユア・ワールド」「17番街」(Album『イッツ・ユア・ワールド』)をご紹介します。

本日のおすすめ!(Today’s Selection)
■アーティスト名:Gil Scott-Heron & Brian Jackson
■アーティスト名カナ:ギル・スコット=ヘロン&ブライアン・ジャクソン
■曲名:It’s Your World、17th Street
■曲名邦題:イッツ・ユア・ワールド、17番街
■アルバム名:It’s Your World
■アルバム名邦題:イッツ・ユア・ワールド
■動画リンク:「It’s Your World」「17th Street」

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ギル・スコット=ヘロン&ブライアン・ジャクソン「ッツ・ユア・ワールド」「17番街」(アルバム:イッツ・ユア・ワールド)ディスクレビュー

こんにちは。おとましぐらです。(プロフィールページへ

今回アーティスト名の表記は、少し説明が必要です。

Amazonなどではギル・スコット=ヘロン単独名義で表記されていますが、私はブライアン・ジャクソンの名前を加えておきました。

ジャケットにも大きく名前と顔が描かれています。

そもそもこの曲はブライアン・ジャクソンの作曲ですし、省略するに忍びないです。

また英語の名前に「-」という記号が使われていますが、これは日本語で表記すると「=」になるみたいです。

あまり意味はない記号みたいですが、とても注意を引きますよね。

これがいわゆる世に言う「ジャン=リュック・ゴダール問題」です。(本当か)

この人はよくレア・グルーヴの代表格みたいな感じで言われます。

私の記憶ではアシッド・ハウス経由で再評価されたレア・グルーヴだったような感じがします。

ガリアーノ(Galliano)とかジェイムズ・テイラー・カルテット(The James Taylor Quartet)などアシッド・ハウスのアーティストによってリスペクトされています。

オリジナル・アシッド・ジャズみたいな存在として評価されていました。

アシッド・ジャズは当時しょせん流行ものだろうと少し軽く見られていたようなところがあります。

ガリアーノなどが俺たちはこういう音楽をやりたいんだという時に出してきた名前が、ギル・スコット=ヘロンの名前でした。

自らの存在証明となるような、本物感がある名前だったのですね。

この人は元々ポエトリー・リーディングからキャリアを始めた人で、その関係でHIPHOPのルーツの1人とも言われることがあります。

次第にバックのサウンドを充実させていき、この6枚目のアルバムで頂点に達した感があります。

ジャズ・ファンクといった感じのサウンドにギル・スコット-ヘロンのボーカルが乗っかっています。

このアルバムは少し変則で、スタジオ録音4曲とライブ録音6曲が収録されています。

この曲のどこがすばらしいのか

「イッツ・ユア・ワールド」はまず頭から飛び出すギル・スコット=ヘロンのボーカルがすばらしいですね。

よくオリジナル・ラブの田島貴男の歌い方に似ていると言われますが、曲調を含めて影響を与えているのは間違いないと思います。

ギル・スコット=ヘロンは偉大なシンガーではなかったが偉大な声を持っていたというようなことを言っている人もいますが、確かに声を張り上げなくても存在感があります。

歌い方よりも深みのある声だけで引きつけてくるところがあります。

バックのサウンドも最高です。

出だしからドラムとコンガがかもし出すリズムがとてもすばらしいと思います。

特にコンガはギル・スコット=ヘロンのボーカルと並ぶ主役級の活躍ぶりです。

ドラムも最後の方のブレイクで一瞬クローズアップされるところなどは、とてもかっこいいです。

曲の間中、サックスが絶えずバックで鳴っていますが、ファンクバンドのサックスはかくあるべしという感じのグルーヴを加速させる演奏をしています。

特に3:07からは同じフレーズを繰り返してバンドに勢いをつけていて、曲の後半でひと盛り上がりをつくっています。

最後にブライアン・ジャクソンのエレピはこの曲ひんやりした色合いを加えていて、この曲にクールな印象を与える役割を果たしています。

もう1曲の「17番街」は少しゆったりしていてラテン色が強い曲です。

こちらはライブ録音で、フルートが大活躍しています。

私はギル・スコット=ヘロンのボーカルはこちらの曲の方が好きですね。

フルートと絡みながら、比較的軽妙に歌っています。

ラテンのリズムの上でフルートがハービー・マン(Herbie Mann)のように舞った後、3:11ぐらいからエレピのひんやりしたフレーズがたまりません。

ギル・スコット=ヘロンの代表曲である「ボトル(The Bottle)」に似た持ち味が感じられる曲です。

これらの曲でのバンドが一体となってつくりだす野性味のあるグルーヴ、リアルな質感、クールな色合い。それを統治する深みのある声。

それがアシッド・ジャズのミュージシャンや田島貴男が憧れていたものだと思います。

ちなみに「イッツ・ユア・ワールド」は歌詞もすばらしいです。

内容を要約すると「それは私の世界ではありません。それはあなたの世界です。あなたは自由なのだから、あなた望むようにやればいい」という感じです。

音楽の役割の1つが、日常生活に囚われている心を解放し、その人の人生をグルーヴさせることだとしたら、これはその為の最高の1曲だと思います。

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It’s Your World

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