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The Grease Band
「Mistake No Doubt」(アルバム:The Grease Band)

「寄せては返す波のようなリズムに絡むギターの小技がすばらしい!」

今回はグリース・バンド「ミステイク・ノー・ダウト」(Album『グリース・バンド』)をご紹介します。

本日のおすすめ!(Today’s Selection)
■アーティスト名:The Grease Band
■アーティスト名カナ:グリース・バンド
■曲名:Mistake No Doubt
■曲名邦題:ミステイク・ノー・ダウト
■アルバム名:アーティスト名と同じ
■アルバム名邦題:アーティスト名カナと同じ
■動画リンク:The Grease Band「Mistake No Doubt」

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グリース・バンド「ミステイク・ノー・ダウト」(アルバム:グリース・バンド)ディスクレビュー

こんにちは。おとましぐらです。(プロフィールページへ

今回は私が考える癒し系の音楽を取り上げます。

一般に癒されると言われている音楽の多くは、私にとっての癒し系の音楽ではありません。

私はむしろ先日ご紹介したソニック・ユース(Sonic Youth)など、激しい音楽を爆音で聞いた方が癒されますが、それでは明らかにベクトルが違いますよね。

そこでリラックスできる方向に限定してみると、今回ご紹介する曲を聞くと、私は大変癒されます。

このバンドはジョー・コッカー(Joe Cocker)のバックバンドとして結成されたことは有名です。

ただ本当はジョー・コッカー自身がグリース・バンド結成時のメンバーだったのです。

ジョー・コッカーが突出して注目を集めた為、ジョーがレコード会社とソロ契約を結ぶこととなりました。

そのままバックバンドのような扱いみたいになったのが、少し気の毒な気がします。

その後グリース・バンドはバックバンドとして名前を上げてから、自分たち名義のアルバムを発売しています。

このバンド名義で2枚のアルバムを発表した後、各メンバーはココモ(Kokomo)、フェアポート・コンヴェンション(Fairport Convention)、ポール・マッカートニー(Paul McCartney)が結成したウイングス(Wings)など、皆そうそうたるバンドに加入します。

ようやくジョー・コッカーに他のメンバー追いついてきた感じです。

ただ実力があるから、それは当然の結果にすぎません。

バックバンドからの叩き上げ、そして解散後メンバーが進んだ進路を見ても、このバンドが実力派であることが疑いようがありません。

そのジョーの代わりにバンドのフロントマンとして加入したのが、ヘンリー・マッカロク (Henry McCullough)です。

そして今回の曲は、この人のギターを聞く曲です。

さてデータについて先に触れておきましょう。

まずこのバンドのウィキペディアを確認する為に検索したところ「紅麗威甦(グリース)」というバンドが検索結果に出てきました。

横浜銀蝿の弟バンドみたいですが、違うバンドですので、誤解のなきようお願い致します。

そういえばグリースとはリーゼントの整髪料でしたね。

このアルバムはグリース・バンドのファーストアルバムからの曲で、1971年に発表されています。

レーベルはイギリスではハーヴェスト・レコード(Harvest Records)、アメリカでは泥臭いスワンプロックで有名なシェルター・レコード(Shelter Records)です。

ヘンテコおもしろレーベルであるハーヴェストはともかくとして、詳しい方はシェルターとジャケットで、おおよそ音が想像できるだろうと思うかもしれません。

確かにその通りです。アメリカの南部音楽に対するあこがれがほほえましい、英国スワンプの名盤といえるでしょう。

ただそれだと不親切なので、きちんと解説したいと思います。

この曲のどこがすばらしいのか

まず出だしのところは変な音が入っていますが、その後少し遅れてギターが入ります。

遠くから近づいてくるようなギターの入り方が、まずすばらしいです。

そこからギターが寄せては返す波のように、ゆったりとしたリズムを刻みます。

ギターがキュイーンと弦の上を滑るような音を出しているところがありますが、これはスライドギターです。

スライドギターはボトルネック奏法などと言われることもあって、筒状のものを左手の小指とか薬指にはめて、弦の上を滑られて弾くことで、独特の音響効果をもたらす弾き方です。

まあ難しい話は抜きにして、キュイーンと脱力したように鳴っているところがその音です。

ちょっと力が抜けるような心地よい気分にならないでしょうか。

時々ポーンと鳴っているハーモニクスっぽい音も、大変心地よいです。

この曲は古いブルースの曲みたいな感じですが、ヘンリー・マッカロクが作曲した曲です。

元々は彼自身が在籍していたスウィーニーズ・メン(Sweeney’s Men)の為に書いた曲です。

きっと思い入れがある曲なんでしょう。

このバンドはメンバーの実力的にバランスが取れていますが、この曲だけは俺の曲だよという感じで1人目立っています。

ボーカルもなかなかいい声ですが、しかしこの曲はボーカルを聞く曲ではありません。

そう感じる理由は、音のバランスがおかしいからです。

ギターの音を大きく目立つようにしすぎていて、ギターを聞いてほしいのが丸分かりです。

実際いつ聞いても、私の耳はギターだけにロックオンされてしまいます。

多用されているコーラスは邪魔だとすら感じますし、私はリードボーカルすら不要で、できればギターだけでも良かったと感じるぐらいです。

ギターは様々な奏法を繰り出してきますが、あまり展開はしません。その為退屈に思う人もいるかもしれません。

ただ私はギターつくりだすゆったりとしたリズムに、小技を絡めてくるギターの音に身を任せているだけで、大変良い気分になります。

このギターの技に対する感覚を共有できるかどうかが、この曲の評価を左右するかもしれません。

技に酔いしれながら癒されるというのは、音楽に詳しい方向けみたいな曲なのかもしれません。

ただこの音楽の滋味豊かなところを、少しでも共有していただけたら、それだけでうれしいと思って取り上げてみました。

このアルバムは他の曲も良い曲だらけで、長く聞き続けられるアルバムだと思います。

引き続きこのアルバムのAmazonレビューを読んでみたい方や、ご購入をお考えの方は、下のリンクからお進みください。


グリース・バンド

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