「ディスコ一歩手前で踏みとどまった、粋なアイズレー流ファンク!」
今回はアイズレー・ブラザーズ「ゴー・オール・ザ・ウェイ (Parts 1&2)」(Album『ゴー・オール・ザ・ウェイ』)をご紹介します。
╂ 本日のおすすめ!(Today’s Selection) ╂
■アーティスト名:The Isley Brothers
■アーティスト名カナ:アイズレー・ブラザーズ
■曲名:Go All the Way, Pts. 1&2
■曲名邦題:ゴー・オール・ザ・ウェイ (Parts 1&2)
■アルバム名:Go All the Way
■アルバム名邦題:ゴー・オール・ザ・ウェイ
■動画リンク:The Isley Brothers「Go All the Way,Pts.1&2」
╂ 名曲レビューでは四つ星半以上のとびっきりの名曲だけをおすすめしています!╂
アイズレー・ブラザーズ「ゴー・オール・ザ・ウェイ (Parts 1&2)」(アルバム:ゴー・オール・ザ・ウェイ)ディスクレビュー
こんにちは。おとましぐらです。(プロフィールページへ)
今回はアイズレー・ブラザーズから選曲しました。
このアルバムはそれなりにヒットしていて、実際1980年に全米チャートで8位にまで駆け上っています。
しかしこのアルバムが好きだと言うと隠れ名盤だと言われることがあります。
それだけ「3+3」のインパクトが強い人たちかもしれません。
彼らはアルバムの数がとても多くて、例えば1971年の「Giving It Back」から1983年の「Between the Sheets」まで13年間で15枚もアルバムを出しています。
年数よりもアルバム枚数の方が多いということは、1年に2枚のアルバムを出している年があるということですよね。
私も集めるのに時間がかかりました。
なにせ似たような印象のアルバムが多くてジャケットを見ても持っていたかどうか思い出せなかったりします。
そのせいか確か間違えて同じアルバムを買ってしまったこともあったように思います。
これが世にいう「似たようなアルバム多すぎ問題」です。
既に何度か触れてきた「同じアルバム名多すぎ問題」と並ぶ買う人を幻惑させる問題の1つです。(本当か)
しかしどのアルバムも買って損はしませんから、その努力が報われます。
上記の期間が特におすすめですが、全期間に渡って良いアルバムは点在しています。
ただ短い間隔でどんどんアルバムを発売していくので、もう一歩アイデアや曲を詰めきれていないところが見られることがあります。
もし2年に1回ぐらいのペースだったら、もう少し評価が高まった人たちかもしれません。
「3+3」なんて半分が神といえる曲ですから、前作の「Brother, Brother, Brother」と良い曲だけを1枚にまとめて発売していたら、もっと怪物アルバムになったと思います。
私は少しもったいないような気がします。
この曲のどこがすばらしいのか
しかしこのアルバムは珍しくこのままで充分だと思えるアルバムです。
全曲の出来が良い完成度の高いです。
どの曲をおすすめしてもいいぐらいですが、私はこの最初のファンクナンバーに絞りました。
当時はディスコでもかかっていたようですが、決して安易なディスコサウンドにはなっていません。
一時期のスレイヴと同じく硬派な部分を残しつつも、若干ディスコに寄せた感じもするファンクです。
しかしそれが悪くありません。アイズレー流の粋なファンクになっています。
まず最初にハンドクラッピン風のリズムの上でギターのイントロが始まります。
アーニー・アイズレーのギターはこのイントロから絶好調です。
彼らが多くのファンクバンドと違うのは、アーニーの存在が大きいと思います。
他のファンクバンドではカッティングに冴えを見せるギターリストはそれなりにいます。
しかしアーニーのこのイントロのギターみたいに、フレーズ一発で強力に印象づけるギターを弾ける人はそうそういません。
イントロのアーニーのギターの後に始まるゴリゴリしたベースラインもすばらしいです。
その間ずっとハンドクラッピンみたいなリズムがキープされています。
アーニーは21秒のところを始めとして時々入れてくるギターのカッティングもすばらしい出来です。
この曲の最高の瞬間は、ディスコにしては若干硬派なリズムの上で時々刻まれるこのカッティングが鳴り響く瞬間だと思います。
しかし曲もロナルド・アイズレーのボーカルは1秒で彼だと分かる声質を持っていますね。
アップとスローどちらにも適性があるすばらしい声です。
最後は3:58のところから一瞬ストリングスが入って、そこから始まるパーカッションの乱れ打ちが楽しいです。
ここはフロアーが盛り上げるのではないでしょうか。
曲名の「Go All the Way」という言葉は色々な意味がある言葉ですが、歌詞の文脈から考えると「行くところまで行け」みたいな感じだと思います。
そんな感じで聞き手を鼓舞する曲に仕上がっています。
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