「古く粋な音楽を現代に蘇らせた才人による痛快作!」
今回はジョー・ジャクソン「ファイヴ・ガイズ・ネイムド・モー」(Album『ジャンピン・ジャイブ』)をご紹介します。
╂ 本日のおすすめ!(Today’s Selection) ╂
■アーティスト名:Joe Jackson
■アーティスト名カナ:ジョー・ジャクソン
■曲名:Five Guys Named Moe
■曲名邦題:ファイヴ・ガイズ・ネイムド・モー
■アルバム名:Jumpin’ Jive
■アルバム名邦題:ジャンピン・ジャイブ
■動画リンク:Joe Jackson「Five Guys Named Moe」
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ジョー・ジャクソン「ファイヴ・ガイズ・ネイムド・モー」(アルバム:ジャンピン・ジャイブ)ディスクレビュー
こんにちは。おとましぐらです。(プロフィールページへ)
今回取り上げたアルバムは、1940年代から50年代に流行したジャイブ・ミュージックのカバーアルバムです。
このアルバムの前、彼はツアーで疲弊して自宅療養していたようですが、その時にジャイブ・ミュージックを聞き狂っていたんだそうです。
ジャイブ・ミュージックとはスイングジャズの発展系と紹介しているサイトもありました。
スイングジャズをよりエンターテイメント色やダンス色を強めた感じの黒人音楽です。
有名な人を挙げてみましょう。
キャブ・キャロウェイ(Cab Calloway)
スリム・ゲイラート(Slim Gaillard)
ルイ・ジョーダン(Louis Jordan)
一応はジャズのイチジャンルという位置づけですが、一般のジャズファンからはそれほど聞かれているような印象がありません。
一般の人が一番よく知っているのは映画「ブルース・ブラザーズ(The Blues Brothers)」で大きく扱われていたキャブ・キャロウェイで、次にこのアルバムでしょうか。
この曲はルイ・ジョーダンのカバーです。オリジナルを引用しておきましょう。
Louis Jordan 「Five Guys Named Moe」
しかしジョー・ジャクソンという人は様々なジャンルの音楽を取り上げる人で、このアルバムまで彼の取り上げたジャンルを辿ってみましょう。
パブロック→レゲエ→ジャイブ・ミュージック→ラテン→ジャズ
スタイルが目まぐるしく変化しています。そういえばクラシックみたいなアルバムもありましたね。
このアルバムはその変遷の中でも、最も驚きました。普通のロックファンは普段ジャイブ・ミュージックを聞くことなんてありませんからね。
私もお勉強的にチェックしただけです。
ルイ・ジョーダンの後年の作品で良いなと思うものがあったものの、ほとんどそのまま素通りしていた音楽です。
この曲のどこがすばらしいのか
さて曲を聞いていきましょう。
確かに古い時代の音楽を参考にしていることは分かります。
ただオリジナルのバージョンよりはるかにテンポを上げて、スピード感溢れる現代にも通用する音楽になっています。
しかし一方でジャイブに肝心な粋な感覚はそのままです。
表面的に取り上げる音楽は変わっても、そのジャンルの最高のものを自分なりの解釈で再現してみせて、つまりはこういうことだろうとドヤ顔をしている。
この曲からもそういう感じがしてきます。
そのジャンルの音楽の最高の部分を切り取って現代風に命を吹き込むとは、才気という言葉が似合う男です。
さて曲はイントロは少しラテンチックなピアノで始まります。ドラムなんかはロックやモダン・ジャズのそれとは相当違います。
ホーンはジャズの影響下にある演奏ですが、より猥雑な雰囲気を漂わせた夜の世界の音楽といった感じの演奏です。
私が考えるこの曲の一番の聞きどころは2:03以降です。
まずジョー・ジャクソンのいんちきくさいスキャットが最高で、それを高らかに鳴り響くホーンが回収し、そこからエンディングに向かって一直線に向かいます。
ジェットコースターに乗せられたように、あっという間に2:39が過ぎてしまいます。
それと上でリンクを貼った動画は、何か「moe」つながりなのかなと思わせる意味深な写真が次から次へと出てきて、よくわかりませんがなんだかとても楽しいです。
引き続きこのアルバムのAmazonレビューを読んでみたい方や、ご購入をお考えの方は、下のリンクからお進みください。