「バーナード・パーディのリズムの上で駆け回るストリートポエツ」
今回はラスト・ポエッツ・ウィズ・バーナード・パーディ「イッツ・ア・トリップ」(Album『ディライト・オブ・ザ・ガーデン』)をご紹介します。
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■アーティスト名:The Last Poets with Bernard Purdie
■アーティスト名カナ:ラスト・ポエッツ・ウィズ・バーナード・パーディ
■曲名:It’s a Trip
■曲名邦題:イッツ・ア・トリップ
■アルバム名:Delights of the Garden
■アルバム名邦題:ディライト・オブ・ザ・ガーデン
■動画リンク:The Last Poets with Bernard Purdie「It’s a Trip」
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ラスト・ポエッツ・ウィズ・バーナード・パーディ「イッツ・ア・トリップ」(アルバム:ディライト・オブ・ザ・ガーデン)ディスクレビュー
こんにちは。おとましぐらです。(プロフィールページへ)
1977年発表のラスト・ポエッツの作品からご紹介します。
ラスト・ポエッツはギル・スコット・ヘロン(Gil Scott-Heron)、ワッツ・プロフェッツ(Watts Prophets)などと並んで街の吟遊詩人の流れから出てきた人たちです。
詩人なので韻を踏んで自らの主張をじゃべっているのですが、それが後にHIPHOPへと繋がってきます。
ドゥ・ワップなどストリートの音楽は大体そうですが、自らの声の存在がとても大きな比重を占めることが多いです。
ドゥ・ワップなどではメロディやコーラスが美しいので退屈しませんが、ただ詩を読むだけだと私もきついものがあります。
私はストリートポエツ系の人のアルバムを買う時は、毎回朗読が少ないことを祈りながら買っています。
ただこのアルバムはバーナード・パーディ(Bernard Purdie)との共同名義になっていて、グルーヴィーなので愛聴しています。
バーナード・パーディはソウル、ファンク、ジャズなど幅広く活躍したセッション・ドラマーです。
HIPHOPの人にサンプリングされすぎて、この人のドラムを聞くと少し前のHIPHOPっぽいなと逆に感じてしまうぐらいです。
ロックファンにとってはベック(Beck)の「デヴィルズ・ヘアカット(Devils Haircut)」でサンプリングされた演奏や、スティーリー・ダン(Steely Dan)の「安らぎの家(Home at Last)」のドラムが、一般のロックファンにはおなじみかもしれません。
私はソウルの後ノリどっさりもっさりしているドラムがわりかし好きですが、この人はそういう人でもありません。
かといってシャープに切り込んでくる鋭さが売りでもありません。
自らのタイム感覚でリズムキープすることに長けているとしかいいようがありません。
本来バーナード・パーディはもっとミディアムテンポで聴きたいところですが、今回ご紹介するのは少しテンポが速い曲です。
しかしこんなに疾走感のある曲ですらファンキーです。
もし彼じゃなかったらもっと表面で軽く騒がしい感じで走ってしまいそうです。
イントロのベースもかっこいいですね。
この曲ではベースがとても自由に演奏していて、ギターなどと合わせて全体にパーカッシブなリズムが曲全体を支配しています。
肝心のバーナード・パーディは21秒ぐらいに歌が入る前のドラムがまずかっこいいです。
いつも聞きほれてしまいます。
最初の数秒で良い曲と確信できます。まさしく1曲目という感じの曲名であり、曲調ではないでしょうか。
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