「奥田民生が万人に愛されるバラードを歌うことの意味」
今回は奥田民生「The STANDARD」(Album『E』)をご紹介します。
╂ 本日のおすすめ!(Today’s Selection) ╂
■アーティスト名:奥田民生
■曲名:The STANDARD
■アルバム名:E
■動画リンク:奥田民生「The STANDARD」
※ライブバージョンです
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奥田民生「The STANDARD」(アルバム:E)ディスクレビュー
こんにちは。おとましぐらです。(プロフィールページへ)
レビューはオリジナルの音源を念頭に置いて書いています。
この人はご存知唯一無二の人です。
もちろん誰でもそうですが、この人は自然体で適当な感じでやっているにも関わらず、それだけで満足させてくれる人です。
ギターリストでいえば手癖で弾いているだけですごい人の存在感と似ています。
キース・リチャーズ(Keith Richards)だって力を抜いて手癖で弾いているだけで、新しいアルバムが出ても新しい魅力なんて打ち出さないけれど、一生聞いていたいと思わせてくれますよね。
この人もそういう人です。まあそれが才能ってやつなんでしょう。
そんな彼がこの曲は珍しくテーマを持って取り組んだ作品です。
万人に愛されるバラードをつくることをテーマにつくった曲のようです。
また苦手なバラードにあえて取り組んだということがこの曲のWikipediaに書いてありました。
結果、この曲はすばらしい出来になっています。
ボーカルはどうしたのってぐらい一生懸命歌っています。
「もうそれはそれとして、盛り上がる胸」という歌詞は、照れくさいので、笑いの要素を入れてみたのでしょうか。
万人に愛されるバラードを書く。そして一途な思いを熱唱する。「The STANDARD」タイトルもど真ん中のストレートです。
いつも飄々とした自分をファンに見せてきた彼にとっては、こ恥ずかしいように感じられたのかもしれません。
この人はタキシードを着たら落ち着かなくて、周囲に「似合わないよな」とか聞いてしまいそうな感じがします。
この曲はそんなシャイな一面を振り切って歌っているようなところがあります。
そのシャイさがこの曲の隠し味なって、リスナーが聞く際にも伝わってきているような気がします。
出だしはいつもの普段着な感じですが、サビでは珍しくセンチメンタルな盛り上がり方をします。
高いパートも難なくこなしていて、歌唱が安定していますね。あまり言われることはありませんが、歌がうまい人なんですよね。
少しは本気を出した感じは伝わってきますが、にじみ出る成分はいつも通りで安心させてくれます。
よれたジーンズが似合う民生ワールドは健在です。
作曲にジェリーフィッシュ(Jellyfish))のアンディ・スターマー(アンディ・スターマー)との共作クレジットとなっていますが、ジェリーフィッシュ的要素はこの曲にありません。
上に動画リンクはトライセラトップスと共演したライブ音源ですが、後半に奥田民生が歌う構成になっています。
このライブバージョンもなかなか良いです。まあ楽曲がいいんでしょう。
この曲は名前通り、スタンダードナンバーとなりうるような歌い継がれる曲となっています。
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