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Tania Maria
「Tranquility」(アルバム:Taurus)

「小気味良いスキャットと粒立ちの良いピアノが爆発している曲」

今回はタニア・マリア「トランクイリティー」(Album『トーラス』)をご紹介します。

本日のおすすめ!(Today’s Selection)
■アーティスト名:Tania Maria
■アーティスト名カナ:タニア・マリア
■曲名:Tranquility
■曲名邦題:トランクイリティー
■アルバム名:Taurus
■アルバム名邦題:トーラス
■動画リンク:Tania Maria「Tranquility」

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タニア・マリア「トランクイリティー」(アルバム:トーラス)ディスクレビュー

こんにちは。おとましぐらです。(プロフィールページへ

音楽とは「音を楽しむ」を書きますが、この人の音楽はまさしく音楽そのものといえるかもしれません。

まずはこの人の経歴からご紹介したいと思います。

この曲でピアノも彼女自身が弾いていますが、ピアノを始めたのは7歳の時のようです。

その後ローティーンの頃にはもう既にプロのミュージシャンをメンバーとするバンドに参加していて、音楽コンテストで優勝もしています。

彼女のファーストアルバム21歳の時に発売され、それ以来順調にアルバムをリリースし、現在に至るまで力強い音楽活動をしています。

彼女の経歴を振り返ると、音楽の才能がある人が順当に認められて活動してきたというような感じがします。

実際どのアルバムも聴き応えのあるアルバムばかりで、一過性の好調とか幸運に頼った脆弱な音楽キャリアではありません。

では彼女の活動の中でどのあたりをピークと考えるかですが、このアルバムあたりは確実にその頂点の一つでしょう。

このアルバムと次の「カム・ウィズ・ミー(Come with Me)」が彼女の全盛期の1つでしょう。

ただピアノ演奏を中心に考えると、70年代の演奏がベストと考える人も多いかもしれません。

このアルバムは1981年に発売されています。

彼女は1948年生まれですから、このアルバムの発売日はまだ30代前半です。

ただ1つ問題があります。このアルバムは2019年5月1日現在でなかなか再発されていません。

内容が素晴らしいので需要もあると思います。実際Amazonの中古価格も高騰しています。

今回この曲を取り上げたのは、ぜひ再発してほしいというメッセージも込めています。

この曲は比較的有名なので様々なコンピレーションにも入っていますが、アルバム全体でも素晴らしい出来ですからね。

頼みますと言いたいです。

この曲のどこがすばらしいのか

さて曲を聴いていきましょう。

この曲はボーカル入りですが歌詞がありません。スキャットで歌っています。

スキャットとは、例えば「ドゥビドゥビ」とか「ダバダバ」とか意味のある言葉に置き換えずに歌う、主にジャズボーカルで用いられる歌い方です。

なぜ歌詞がないのか、それはフィーリングをその場で表現したものだからです。

瞬間のフィーリングを即興で表現したものなので、必ずしも言葉の意味は必要ありません。

楽器の即興演奏と同じようなものと考えたらいいと思います。

有名なのは女性のジャズシンガーによるものでサラ・ヴォーン(Sarah Vaughan)、そしてエラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)あたりは怪物級のスキャットのレコーディングがいくつもあります。

そしてタニア・マリアも上記二人に劣らぬ、最高のスキャットシンガーの1人でしょう。

この曲はまずしっとりとしたピアノ演奏で始まります。

イントロの段階で既に名曲である予感が十分伝わってきますが、途中からギアを上げてきます。

43秒のところからテンポが変わって、ピアノがより小気味良く変わります。

ブラジル人のピアノ演奏は概して音の粒立ちが素晴らしいですが、彼女も相当なものです。

そこからしばらくはピアノ演奏だけで引っ張ります。

しかし2:16秒からさらにギアを上げてきます。スキャットが始まります。

時にはピアノ演奏と一体となり、時にはお互いに補い合って混然一体となって耳に飛び込んできます。

私の脳内では情報処理が間に合わなくなります。この演奏をどうお伝えしようか言葉では難しいです。

ただ理解できるのは、演奏やスキャットの引き出しの多さです。

決して単調にならず変化をつけながら展開し、どんどん音楽に引きずり込んできます。

そして5:53彼らは更にギアを上げて、最後の盛り上がりをつくろうとしています。これがこの曲の最終形態のようです。

私はここからが、この曲の鳥肌ポイントだと思います。

ピアノはよりパーカッシブになり、遊び心たっぷりのスキャットもノリにノッています。

6:57のところからドラムがプッシュするところもいいですね。まるでクリエイティビティの暴走機関車です。

最後はピアノ演奏だけに戻って、無事ランディングさせています。

長い曲なのに無理に曲を引っ張っている感じがしません。

抑えきれないクリエイティビティをあふれるままにしているだけのように思えます。

ちなみに曲名の「トランクイリティー」とは「静けさ」のことです。でも聞いて頂いたとおり、全然静かな演奏ではありません。

才能があるミュージシャンの考えていることはなんだかよく分かりませんが、この曲は必聴です!

引き続きこのアルバムのAmazonレビューを読んでみたい方や、ご購入をお考えの方は、下のリンクからお進みください。


Taurus

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