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The Art Ensemble of Chicago「No Woman, No Cry」(アルバム:Ancient in the Future)

「ボブ・マーリィをリスペクトしている感じが伝わってきます!」

今回はアート・アンサンブル・オブ・シカゴ「ノー・ウーマン、ノー・クライ」(Album『エンシェント・トゥ・ザ・フューチャー』)をご紹介します。

本日のおすすめ!(Today’s Selection)
■アーティスト名:The Art Ensemble of Chicago
■アーティスト名カナ:アート・アンサンブル・オブ・シカゴ
■曲名:No Woman, No Cry
■曲名邦題:ノー・ウーマン、ノー・クライ
■アルバム名:Ancient in the Future
■アルバム名邦題:エンシェント・トゥ・ザ・フューチャー
■動画リンク:The Art Ensemble of Chicago「No Woman, No Cry」

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アート・アンサンブル・オブ・シカゴ「ノー・ウーマン、ノー・クライ」(アルバム:エンシェント・トゥ・ザ・フューチャー)ディスクレビュー

こんにちは。おとましぐらです。(プロフィールページへ

今回は前回の続きです。

昨日の記事は以下をクリック
Bob Marley & the Wailers 「No Woman, No Cry」

今回はボブ・マーリィ(Bob Marley)のこの曲が他のアーティストにどう受け取られたのか、1曲だけ取り上げてみたいと思います。

彼らはブリジット・フォンテーヌ(Brigitte Fontaine)の「ラジオのように(Comme a la radio)」という曲のバックで演奏をしていたことが有名です。

この人たちは本来フリージャズの人たちですが、この曲はそれほどフリージャズ色がありません。

イントロが少し混沌としている以外、とても聞きやすいです。

この人たちはAACMというフリージャズなど自由な演奏を志向するミュージシャンが集まってできた団体に所属していました。

ウィキペディアでははっきり書かれていませんが、どちらかというと当時は黒人の地位向上運動の1つとして見られていた団体です。

太古の昔から黒人は自由な発想の音楽をやってきた。だから自分達もその伝統に基づいて自由に音楽を創造していこうという感じの考え方をしている団体です。

私が知らないだけかもしれませんが、それほど政治的に先鋭的な言動はなかったように思います。

ただ黒人としての誇りと既成概念に囚われないことを重視していたように思います。

その彼らがこの曲を取り上げたのは、私には自然なことに思えるのです。

前回はこの曲の歌詞に触れませんでしたが、ボブ・マーリーのこの曲は戦いの最中にいる人に希望を持てと歌っています。

今は辛いことも多いけれど、きっとうまくいく。だから女よ、泣くなと。

アート・アンサンブル・オブ・シカゴは次第にアメリカで居場所がなくなり、パリで活動をすることになります。

そこで参加したのが、ブリジット・フォンテーヌの曲だったというわけですね。

当時のヨーロッパはアメリカのジャズに対してある種の憧れを抱いていたところがあって、本国であまり良い境遇に置かれていない黒人ジャズマンの避難先になっていました。

この曲のどこがすばらしいのか

さてこの曲ですが、最初の1分はとても混沌としていてフリージャズっぽいです。

そこから原曲に忠実な郷愁を誘うイントロが始まります。

彼らはボーカルを入れることもできたかもしれませんが、歌なしでこの曲を表現しています。

初めて聞くと少しふざけたようなところが垣間見えますが、この人たちのふざけ方は本来こんなものではありません。

徹頭徹尾我流を通し、様々な楽器で無作為に用い、様々な音楽の要素を換骨奪胎して再集結させ、それでも表現として成立させてしまう人たちです。

乱調の美をつくりだせる人たちです。

ところがこの曲では、テンポといいメロディといい、彼らにしては破格なまでに原曲に忠実です。

私はそれが彼らのこの曲に対する敬意だと思っています。

普段の彼らだったら俺たちの自由な演奏で完璧に表現してやるぜと思ったでしょう。

しかし彼らはこの曲にそう思えなかったのかもしれません。

ただ原曲に忠実に再現したら名曲になるわけではありません。

現にどの曲とは言いませんが、他にこの曲の無残なカバー曲を数曲、私は知っています。

彼らの演奏は特に後半になるにつれ、祭典のような雰囲気が出てきます。

彼らはパリに活動拠点を移しましたが、2年でアメリカに帰国してしまいます。

パリでは2年に満たない活動で10枚以上のアルバムを残しています。おそらく現地で受け入れられたということでしょう。

しかし彼らがなぜアメリカに帰国したのでしょうか。

私は彼らが理想を追い求めることをやめるつもりはないと、この曲を通して伝えたかったように思います。

最後にこのアルバムは日本のDIWレーベルから出ています。売りにくくコントロールしにくい彼らと、よくも契約したものです。

日本が誇ってもいい決断だったと私は思います。

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エンシェント・トゥ・ザ・フューチャー

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