「ポップスマニアの2人のエゴがぶつかって、ポップセンスが爆発しています!」
今回はXTC「ザッツ・リアリー・スーパー・スーパーガール」「マーメイド・スマイルド」(Album『スカイラーキング』)をご紹介します。
╂ 本日のおすすめ!(Today’s Selection) ╂
■アーティスト名:XTC
■曲名:That’s Really Super Supergirl、Mermaid Smiled
■曲名邦題:ザッツ・リアリー・スーパー・スーパーガール、マーメイド・スマイルド
■アルバム名:Skylarking
■アルバム名邦題:スカイラーキング
■動画リンク:「That’s Really Super, Supergirl」「Mermaid Smiled」
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XTC「ザッツ・リアリー・スーパー・スーパーガール」「マーメイド・スマイルド」(アルバム:カイラーキング)ディスクレビュー
こんにちは。おとましぐらです。(プロフィールページへ)
このアルバムはトッド・ラングレン(Todd Rundgren)がプロデュースしたアルバムです。
アンディ・パートリッジ(Andy Partridge)とトッドがレコーディングの間、喧嘩ばかりしていたという話が有名な作品です。
どちらも資質がよく似た者同士ですから、きっと近親憎悪みたいなものなんでしょう。
まあ一種のじゃれあいではないでしょうか。
問題はこのアルバムが結果として、とてもよくプロデュースされているということです。
彼らのアルバムはいつも質が高いのに、必ずあれっと思う曲が入っていたものですが、このアルバムは捨て曲がありません。
脇役っぽい曲があっても、主役を食いそうな曲ばかりです。
今回は主役っぽい曲と、脇役系だけど主役を脅かしそうな曲をそれぞれ取り上げたいと思います。
アルバム全体としてはちょっとオタクっぽいというか、マニアっぽいというか、聞いていてるとニヤリとしっぱなしになります。
「That’s Really Super, Supergirl」はこのアルバムにしては爽快な曲です。
曲名通り突き抜けたポップスです。
このアルバムではマニア向けっぽい曲もものすごく質が高いですが、たまにはこういう曲があると、逆にその他の曲の良さも映えます。
この曲がなければ少し寂しかったかもしれません。
クセのある個性派俳優達に混じって素直なイケメンの俳優が主演をやっているみたいなものです。
聞けば分かって頂けるのではないでしょうか。
一方もう1曲の「Mermaid Smiled」の方はサウンドについて少し言及した方がいいかもしれません。
イントロこそ爽やかですが、途中からリズムがまるで馬車が走っているようなパーカッシブな音になっています。
後半は妙に上品で密室っぽい感じで、何かに似ているとしばらく考えたところ、やっと思い出しました。
後半の音づくりはルイ・フィリップ(Louis-Philippe)あたりのエル・レーベル(el)みたいですよね。
トッド・ラングレンもアンディ・パートリッジもルイ・フィリップもみんなポップスが好きすぎて、こじらせてしまった感じがします。
そのこじらせっぷりがすばらしいという人達です。
このアルバムはやっかいなことに、同じアルバム名なのに入っている曲が違う場合があります。
「Mermaid Smiled」は確認せずに買うと入っていない場合もあるので、注意が必要です。
一方「That’s Really Super, Supergirl」はどのバージョンでも入っているようですけどね。
やっぱり主役なしでは成立しないということなんでしょうか。いい脇役あっての主役だと思いますけどね。
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